野生ウズラの(ウェブサイトの)情報ください日本に生息する野生ウズラの数は激減し、2012年の環境省第4次レッドリストにおいて絶滅危惧種とされ、現在では保護を図るべき対象となっています。この度、バードウォッチャーさんがHPで公開されている情報をあつめて、野生ウズラの生息に関する新しい情報を蓄積したいと思っております。お持ちの、またはご存知のウェブサイト情報の提供をお願いいたします。応募フォーム2022.04.14 11:00
オキシトシンは小鳥の家禽化関連遺伝子か? ジュウシマツという小鳥をご存知ですか?ジュウシマツはペットショップでみることができますが、日本の野生でみかけることはありません。実はジュウシマツ、1762年頃に中国から輸入されたコシジロキンパラを日本で家禽化した鳥です。子育て上手な形質が仮親として重宝され家禽化されて、19世紀半ば頃に色素が抜けた白化個体が現れたのがジュウシマツのはじまりだそうです。 野生種のコシジロキンパラと比べて家禽種のジュウシマツは、攻撃性が低く、新規なものや場所への恐怖が少ないです。ストレス耐性があるためか、ストレスホルモンであるコルチコステロン血中濃度も低いです。また特筆すべきは、学習によって獲得する求愛歌が家禽種のジュウシマツの方がずっと複雑という点です。このような行動形質の違いはオキシトシン遺伝子と関連がありそうでした。 私たちは、オキシトシン遺伝子の配列、脳内での遺伝子発現量、ペプチドホルモンの含量等をジュウシマツと野生種のコシジロキンパラの間で比較しました。同種にもかかわらず、野生種と家禽種間でオキシトシン遺伝子の配列が異なること、大脳では家禽種の方が遺伝子発現量が高く、間脳では野生種の方が発現量が高いことを明らかにしました。鳥類では、大脳のオキシトシンは攻撃性や群集性に関連していて、間脳のオキシトシンはストレス耐性に関与しているのではないかと考えられています。 以上の結果を、Genes brain and behaviorオンライン版に発表しました。本研究には、学部生であった佐藤芳美さん、丸谷桃花さんと藤岡明香さんが貢献してくれました。2021.12.06 10:49
Gonadotropin-inhibitory hormone as a regulator of social interactions in vertebrates脊椎動物における、様々な社会環境の変化がGnIHという生殖に関わるペプチドホルモンの発現や分泌を変化させて個体の生理や行動を変化させるのではないかという総説がFrontiers in Neuroendocrinologyに掲載されました。鳥類のデータだけではなく、魚類(シクリッド)から哺乳類(ハダカデバネズミ)までの知見をまとめた、渾身の論文となりました。2021.11.12 06:10
ウズラの雄叫びを抑制するメカニズムウズラの雄叫びを聞いたことがありますか?ものすごい音量です。雄ウズラは雄叫びあげて雌を惹きつけているので、雄叫びは求愛発声ともいわれます。雌が目の前に現れたら雄叫びを発する必要がなくなるので、素早く鳴きやむことが大切です。どのようにして瞬時に鳴きやんでいるのでしょうか?小鳥の歌研究ユニットは、ウズラの雄叫びが瞬時に抑制する神経メカニズムを解明して、Behavioral Brain Research誌に発表しました。本研究には、学部生であった原田倫圭さんと増澤杏実さんが貢献してくれました。2021.08.09 09:33
ジェネプロ生の研究発表麻布大学・実践的ジェネラリスト育成プログラム「求愛発声を解析しよう」プロジェクトに参加する学部2年生の濵﨑菫さんが日本動物学会関東支部 第73回大会(オンライン)で、研究成果をポスター発表しました。この1年半の間、いわゆる「ウズラの雄叫び」をコツコツ解析してきた成果です。2021.03.20 06:00
Neuroendocrine Regulation of Animal Vocalization本学科講師 戸張が第20章「Courtship vocalizations in nonsongbirds: Auditory and neuroendocrine mechanisms in intersexual communication」の項目を分担執筆した『Neuroendocrine Regulation of Animal Vocalization』がAcademic pressから出版されました。第20章では、インコやジュズカケバトの研究から明らかにされた求愛発声を認知するメカニズムを解説しております。2020.10.31 15:05
【オンライン】日本動物学会関東支部第72回大会に参加新型コロナウィルス感染拡大防止のため、本日オンライン方式で日本動物学会関東支部第72回大会が開催されています。ポスターセッションでは、4年生の増澤杏実さんと草野玲奈さんが卒業研究の集大成として発表しています。2020.03.14 06:01
動物生化学実習2年生後期に履修する動物生化学実習は、「仮説を立て検証する」スタイルで行っています。学生さん達は実験の結果が明らかになる前に、結果を班ごとに予想してその根拠とともに図を使って発表します。そして実験結果と自分達の予測が一致していたのかどうか確認し、違っていたら「何故異なってしまったか」を考え、リポートにまとめます。2019.11.13 23:07
生き物と音の事典本学科講師 戸張が「発声学習しない鳥類の発声」の項目を執筆した『生き物と音の事典』が朝倉書店から出版されました。音や振動に関する基礎的な項目にはじまり,ヒトやコウモリ,鳥類などの陸上動物から,イルカや魚類などの水棲動物,さらには昆虫や植物まで,音をコミュニケーションとして利用する生物について簡潔に解説されています。2019.11.01 00:08
鳥類内分泌研究会 特別講演について12月14日から15日に麻布大学獣医学部棟で開催される鳥類内分泌研究会の特別講演がすべて出そろいました。帝京大学の本間先生には、生まれたばかりの鳥のひなが親の姿を記憶して追従するようになる「刷り込み学習」のメカニズムについて、日本獣医生命大学の江草先生には地鶏に多く含まれ抗酸化作用や抗疲労作用を持つイミダゾールペプチドのお話、バードリサーチの佐藤先生には、ほかの鳥の巣に卵を産んで育てさせるカッコウの「托卵」をみやぶる宿主の親鳥の珍しい戦略についてお話しいただきます。バラエティに富んだ3演題。今から楽しみです。2019.10.23 11:30