早期に離乳されたマウスが不安行動を示すようになるメカニズムを明らかにしました。

ヒトを含めた動物は、幼少期の社会環境、特に母子間の影響を強くうけます。早期に母から離乳されたマウスでは、生涯にわたり不安行動を示しますが、そのメカニズムが明らかになりました。早期離乳マウスでは、離乳後に高いグルココルチコイド分泌が続きます。このグルココルチコイドが脳の前頭葉という場所に作用し、神経細胞の機能維持にかかわる脳由来神経栄養因子の発現を低下させます。このグルココルチコイド>前頭葉>脳由来栄養因子のカスケードが抑制されることが、不安の原因であることを明らかにしました。

伴侶動物学研究室の、先輩から後輩に引き継がれた12年間にわたる努力の結晶です!

"Early weaning increases anxiety via brain-derived neurotrophic factor signaling in the mouse prefrontal cortex" by Takefumi Kikusui, Natsumi Kanbara, Mariya Ozaki, Nozomi Hirayama, Kumiko Ida, Mika Tokita, Naho Tanabe, Kuriko Mitsuyama, Hatsuki Abe, Miki Yoshida, Miho Nagasawa, and Kazutaka Mogi

麻布大学 獣医学部 動物応用科学科

動物に関する生命科学を土台に、動物に関する実践的な学びを深めていきます。 強靭な基礎力に裏打ちされた上での、バイオ技術、人工授精や繁殖、野生動物の管理、家畜の福祉、イヌやネコ、馬との共生効果など幅広く学び、そしてその分野の研究を発展させて社会貢献に寄与します。 このような、人と動物のさまざまな接点で活躍できる人材を、「動物実践的ジェネラリスト」として育て上げます。