哺乳類では珍しい真社会性のハダカデバネズミの群れでは、女王と呼ばれる1匹のメスだけが数匹のオスと繁殖を行います。他のメス個体は性的には成熟しないにもかかわらず、働きネズミとして女王が産んだ仔を育てます。伴侶動物学研究室の研究から、働きネズミは女王の妊娠期の糞を食べることで母性を高め、女王が仔を出産後にベビーシッターとなることがわかりました。また、これは女王の糞に含まれるエストロゲンというホルモンの作用だということもわかり、このたびこれら研究成果を歴史と権威ある学術誌、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表しました。
http://www.pnas.org/content/early/2018/08/21/1720530115.short?rss=1
通常は体の中だけで働くホルモンが他個体の行動を変化させる現象はこれまでほとんど報告されておらず、子育て行動の進化を考えるうえでも重要な発見といえます。Nature、Science誌もトピックスとして取り上げています!
麻布大学 獣医学部 動物応用科学科
動物に関する生命科学を土台に、動物に関する実践的な学びを深めていきます。 強靭な基礎力に裏打ちされた上での、バイオ技術、人工授精や繁殖、野生動物の管理、家畜の福祉、イヌやネコ、馬との共生効果など幅広く学び、そしてその分野の研究を発展させて社会貢献に寄与します。 このような、人と動物のさまざまな接点で活躍できる人材を、「動物実践的ジェネラリスト」として育て上げます。
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