生殖毒性 −ゲノム編集と疾患モデル−

講師 寺川 純平

「生殖毒性を有する医薬品・化学物質の有害作用の発現機構を明らかにし、ヒトや動物の健康に及ぼす悪影響を予測し未然に防ぐ」

生殖毒性とは、医薬品の摂取や化学物質の暴露によって雌雄の生殖能力の低下や生殖細胞の形成障害を引き起こす作用とされています。胎生期あるいは発達期における医薬品や化学物質の暴露は、次世代の健康にも影響を及ぼす場合があります。

本ユニットでは、生殖機能に有害な影響を及ぼすとされる医薬品や化学物質が、なぜそのような反応を引き起こすのか、その原因を明らかにすることを目的に研究を行っています。作用機序を知るうえで雌雄の生殖器官や生殖細胞の形成機構の理解を深めていく必要があり、そのための研究も進めています。

生殖毒性の研究には、マウスをはじめとする小型齧歯類が多大な貢献をしています。マウスでは遺伝子を操作する技術が格段に進んでおり、2012年に登場したCRISPR-Cas9システムによるゲノム編集技術によって、いまや個々の研究者レベルで遺伝子を改変した動物個体の作製が可能になりました。本ユニットでは遺伝子改変マウスの解析に加え、ゲノム編集技術を利用した新規の疾患モデル動物の作製にも取り組んでいます。


Q. どの仔マウスが遺伝子改変個体でしょうか?