ユニット

分子行動遺伝学分野

教授 神作 宜男

哺乳類や鳥類などの高等動物が有する遺伝情報や遺伝子の構造解析を行っています。具体的には以下の2つになります

 鳥類の繁殖行動を支配する遺伝子は何か、生体内でどのように作用しているかを研究し、絶滅危惧鳥種の保全に役立てようと取り組んでいます。

 我々の周りにいる動物と原種(例:イヌとオオカミ)の間には遺伝情報の違いがどれくらいあるのか、を明らかにしてヒトと動物の共生の歴史を生命科学の観点から研究しています。

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行動神経生物学分野

講師 戸張 靖子

人間が飼いならしてペットや家畜にできた動物は限られています。ジュウシマツは、約250年前に中国から輸入されたコシジロキンパラが祖先です。野生種のコシジロキンパラと比べて家禽種のジュウシマツは、おっとりしていて、発声が複雑です。私達は、コシジロキンパラとジュウシマツの比較を通して、家禽化が「どうやって」起きるのかを、遺伝子や神経回路レベルで明らかにするために研究を進めています。その他に、日本ウズラの求愛発声である「雄叫び」についても研究しています。

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動物生殖工学分野

教授 柏崎 直巳

高等脊椎動物の生殖に関する認知科学や生殖制御技術の開発や利活用に関する研究を展開している。さらにゲノ編集技術によってそのゲノムを改変することにより、人類の持続可能な「食料生産」や「人類の医療」にも適用しようとする研究も展開している。ブタやマウス・ラットを対象動物として、その配偶子・初期胚を用い、「受精」や「初期発生」に関する研究やそれらの生殖工学技術・生殖補助技術の開発にも取り組んでいる。


動物分子生殖科学分野

准教授 伊藤 潤哉

1) 哺乳類の受精に関する研究

2) 哺乳類の着床・妊娠メカニズムに関する研究

3) 哺乳類生殖工学技術の開発・改良に関する研究

動物遺伝子工学分野

教授 滝沢 達也

脂肪由来幹細胞の神経様細胞への分化に関する制御機構を研究しています。幹細胞とは、複数種類の細胞に分化しうる多分化能を維持しながら、自己と同じ細胞を産生する自己複製能を有するという性質を併せ持つ細胞です。私たちは、 成体の脂肪組織に含まれる間葉系幹細胞(ADSC)に着目して、神経様細胞への分化機構を研究しています。細胞は、主にラット、イヌ、ウマ由来のものを用いています。

クリーンベンチで、細胞培養の準備作業をしている学生

ラットの腎臓周囲の脂肪組織から分離培養したADSC(上段A-IとA-II)

神経細胞への分化を誘導する化学物質(dbcAMPとIBMX)および、ヒストンの脱アセチル化阻害剤(VPA)を培養液に添加した細胞(下段B-IとB-II)。細胞が神経細胞に類似した形体に変化していることが見て取れます。青色は核を示し、Iの赤色蛍光は、未分化な状態の神経幹細胞などで高い発現を示すNSEに対する抗体,IIの緑色蛍光は、成熟した神経細胞で高発現すβⅢtubulinに対する抗体による染色を表しています。写真の中の白い線は、100μmの大きさを表します。

動物遺伝情報学分野

准教授 田中 和明

遺伝子多型と形質との相関解析を行っています。現在は、主に、マウス、ブタ、ウシ、イヌを対象にしています。遺伝子は、DNAの4つの塩基A,T,G,Cの配列によって構成されています。塩基に生じた相違を遺伝子多型とよびます。多型がアミノ酸を指定するコドン内に存在すると産物であるタンパク質のアミノ酸の配列に置換を生じさせることがあります。これによってタンパク質の立体構造に変化が生じ、結果として、特定の病気への罹りやすさや、成長速度、肉質など様々な形質に影響を与えるものがあります。遺伝子多型の1例として、イヌのインターロイキン13(IL-13)の63番目のアミノ酸をトレオニンからアラニンに置換する遺伝子多型を紹介します。IL-13は、様々な免疫システムに関わりが報告されています。

遺伝子は、DNAの4つの塩基A,T,G,Cの配列によって構成されています。塩基に生じた相違を遺伝子多型とよびます。多型がアミノ酸を指定するコドン内に存在すると産物であるタンパク質のアミノ酸の配列に置換を生じさせることがあります。これによってタンパク質の立体構造に変化が生じ、結果として、特定の病気への罹りやすさや、成長速度、肉質など様々な形質に影響を与えるものがあります。遺伝子多型の1例として、イヌのインターロイキン13(IL-13)の63番目のアミノ酸をトレオニンからアラニンに置換する遺伝子多型を紹介します。IL-13は、様々な免疫システムに関わりが報告されています。

(上)多型を検出したDNA塩基配列のエラクトロフェログラム

(下)哺乳類間でのIL-13の63番目のアミノ酸残基(p63)前後の配列の比較。この場所は、多くの哺乳類でT(トレオニン)に固定され、A(アラニン)となるのは、例外的です。私たちは、A型対立遺伝子が、約0.2以下の頻度で多くの犬種に分布していることを明らかにし、疾患への影響を調査しています

応用動物行動学分野

教授 田中 智夫

ヒトが改良し、ヒトの生活に役立ってくれているさまざまな家畜や伴侶動物たち。また、近年はヒトとの軋轢が問題になってきている身近な野生動物。彼らの「思い」や「こころ」を彼らの行動から理解し、その飼育(棲息)環境の改善や、ヒトとのより良い関係の構築を目指して教育と研究に務めています。彼らをよく知ることが、その第一歩と考え、日々実践しています。

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応用動物管理学分野

教授 植竹勝治

ヒトの生活に密接に関わりのある動物、いわゆる応用(愛護)動物を対象に、応用動物行動学の知識に基づいて、ヒトと応用動物との共生・共存関係の在り方について、人が動物から受ける恩恵と動物福祉とのバランスを図る方策を探究します。応用動物飼育管理のステークホルダー(農場、畜産試験研究機関、動物保護施設、動物園等;飼育者、動物愛護担当行政官、消費者・利用者等)が直面する今日的な技術的課題の解決に向けて実践的に考える姿勢を大切にします。

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野生動物社会学分野

准教授 南 正人

野生動物学研究室は、野生動物を対象に行動や生態などの研究を行うと共に、人と野生動物のより良い関係づくりのための研究を行っています。野生動物が自然界で様々な生物と関係を保ちながら生活しているつながりを「リンク」と考え、このリンクを科学の目で明らかにすることを目指します。科学の目には2つの異なるアプローチがあり、“虫の目”と“鳥の目”と呼んで区別しています。“虫の目”では、個体を長期追跡して仔細に観察・解析し、その生き様を深く掘り下げて理解することを目指します。一方“鳥の目”では、対象を俯瞰して眺め、種間の比較や他の生物との関係などを観察・解析することで生き物のリンクを明らかにし、対象とする種がリンクの中で果たしている役割の理解を目指します。この2つのアプローチを駆使することにより、対象動物を「立体的に」理解することを目指します。また、 人間と動物との関係も「リンク」のひとつとして捉えています。

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野生動物保全管理学分野

准教授 塚田 英晴

野生動物と人とがうまく共存していくための基礎的・応用的研究をおこなっています。具体的な研究テーマは以下のとおりです。

1)中型食肉類の生態的地位の解明

 上位捕食者(オオカミ)不在の日本の生態系において、中位捕食者である中型食肉類が占める生態的地位とその機能の解明を目指します。

2)牧場や農耕地での野生動物の生態と被害防除

 牧場や農耕地で被害をもたらす加害動物(主にニホンジカ)の生態と被害実態を明らかにし、被害問題解決に役立つ知見の蓄積や防除技術の開発を行います。

3)牧場での非消費的資源としての野生動物の利活用

 牧場に生息する野生動物を環境教育や観光などの非消費的資源として活用(生かして利用)するため、その価値評価と資源価値向上方法を研究します。

4)野生動物と道路との関係改善に向けた応用研究

 人間の利便性を高める道路が野生動物のロードキルや生息地分断を招いています。その改善にむけてどんな工夫ができるか研究します。

5)人獣共通感染症制御に向けた病気の生態学的研究

 野生動物は、ヒトや家畜に様々な感染症(例えばエキノコックス症)を媒介しますが、こうした人獣共通感染症の予防に役立つ知見の蓄積と感染防除方法の開発に取り組みます。

動物社会内分泌分野

教授 菊水 健史

動物の社会性を明らかにすることで、ヒトと動物がどのような共生が可能になるかの設計に貢献します。動物の社会性を、社会認知、神経内分泌、進化、遺伝子での解析を実施しています。

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ヒトと動物の同調的共生分野

講師 永澤 美保

動物がヒトの心身の健康に良い影響を与えることは、欧米では広く認められており、動物介在介入が普及しています。しかしながらその「メカニズム」は明らかではなく、日本ではまだ普及していません。そこで、介在動物学研究室では、イヌ、ネコ、ウマの「何が」「どのように」ヒトに影響を与えるのかを解明し、また同時に動物側のストレス度合いを検討することで、ヒトと動物のより良い関係の構築をはかることを目標に活動・研究を行っています。

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動物親和性分野

准教授 茂木 一孝

動物のもつ社会性に関わる脳機能、「Social Brain」の解明をめざし、社会行動の神経メカニズム解明(neural mechanisms of social behavior)、社会認知機構(social cognitive function)、社会性に関わる幼少期社会環境の影響(developmental influences on social brain)に関する研究を行います。これら研究を通して動物の社会性を科学的に理解することで、動物生命科学への貢献を軸とし、人間社会との接点における動物との共生について考察を深めることを目的としています。

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比較毒性学研究室

和久井信ユニット

准教授 和久井 信

私たちの健康を守り、生活を豊かにしてくれる化学物質でも、使われ方や使う量によって、健康に悪い影響を及ぼすことがあります。また、私たちは意図しなくても、環境中の様々な化学物質と毎日接して生活しています。毒性学は、私たちを取り巻くさまざまな化学物質の有害な側面を研究する実践的な科学ですが、進化の過程で生物が培ってきた生存や生殖の戦略を、化学物質に対する生体の反応から探る科学でもあります。

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動物性食品利用分野

教授 坂田 亮一

動物性食品の加工、品質、機能性ならび健康をテーマに教育研究に取り組んでおります。最近の課題として、食肉中の赤色色素の特性や食肉加工による品質への影響さらに、野生獣肉の食肉への利用を中心に研究を行っております。また、学内の食肉加工場においてハム、ベーコン、ソーセージなど製造実習を行い加工技術についての教育研究も行っております。このような活動を通し、動物性食品についての知識ならびに加工技術を習得した学生を食品業界へ輩出しています。

動物性食品機能分野

講師 竹田 志郎

動物性食品の品質向上、機能性ならび健康をテーマに教育研究に取り組んでおります。特に、動物性食品由来の成分や発酵またはそれを担う微生物による機能的効果や機序の解明に取り組んでいます。また、当研究室オリジナルの乳酸菌飲料や発酵乳製品の製造実習を行い「ものづくり」の大切さといった実学教育についても取り組んでいます。このような活動を通し、学生に動物性食品の知識ならびに機能・技術を学んでもらえる研究室を目指しております。

畜産物フードシステム分野

教授 大木 茂

動物資源が現代社会のなかでどのように存在し、利用されているのか、そしてその背景は?

そういった問いに対し、経済学をはじめとする社会科学的な視点から研究するのがこの研究室です。

具体的には、欧州でいち早く取り組みが進められ、アメリカでも最近関心が高まっているアニマル・ウェルフェアに配慮した畜産食品の生産・流通・消費の動向を、鶏卵を中心に実態を把握し、その展開構造を明らかにしようと研究しています。そのことを通じて、日本での適用に際しいかなる課題を克服すればいいかわかるからです。

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